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労働者の勤怠管理について、主な基礎知識を掲載しています。
人事労務経営のご参考にお役立てください。 |
勤怠管理は使用者の義務
使用者には労働者の勤怠管理として労働時間の把握義務がありますので、事業所に出勤簿等の管理帳簿を備えて正しく管理しなければなりません。
これは賃金計算の目的のためだけでなく、労働者への長時間労働を抑止することも求められています。
万が一、長時間労働を抑止することができずに、労働者を過労死やうつ病などに追い込んでしまった場合は、労働契約法による安全配慮義務違反の観点から、使用者がその責任を問われることになります。
勤怠管理の方法
使用者の労働時間の把握義務を考えますと、使用者が直接に労働者の始業時刻から終業時刻までを管理することが望ましいのですが、労働者の人数や仕事の場所によっては、現実的に難しい場合もあります。
なので、使用者の直接把握でなくても、その職場ごとに適切な管理方法がとられていれば問題ありません。主には以下のようなものが考えられるでしょう。
●上司が部下の労働時間の管理をする。
●労働者にタイムカードの打刻をしてもらう。
●労働者に出勤簿への記録をしてもらう。
●労働者から欠勤や遅刻・早退の届出をしてもらう。
●労働者から時間外労働・休日労働の申請をしてもらう。
●使用者から時間外労働・休日労働の指示書を出す。
タイムカードだけでの時間管理の問題点
タイムカードでの時間管理はよくある方法ですが、タイムカードの法的な位置付けとしては、特段の事情や取り決めがない限り、打刻されている時刻に出退勤がなされ、業務を開始または終了したと推定させる機能があると解されています。
つまり、タイムカードだけでしか時間管理をしていなければ、その打刻時間が労働時間の開始から終了時刻とされかねないということになります。
使用者からしてみれば、頼んでもない仕事で労働者が遅く帰ったからとタイムカードを見せられて、高い残業代を支払わなければならないのは割に合わないと思います。
このようなことを避けるためにも、以下のような管理を併用すべきではないでしょうか。
◆タイムカードは労働時間の裏付けとして、別途、各日の労働時間の開始から終了までの時間を記録する。
(例:出勤簿の併用、欠勤・遅刻・早退等の届出書、労働時間の集計表など)
◆就業規則にタイムカードの打刻ルールを明記する。
(例:タイムカードは実際の始業・終業時間の前後10分以内に打刻する。労働者本人以外の代理での打刻の禁止及び制裁規定。)
◆所定労働時間以外(時間外労働、休日労働)の労働時間については、その存在を示す管理書類を設ける。
(例:時間外・休日労働の指示書や許可願い、申請書など)