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労働者を雇い入れて事業を行うには、原則として、労働保険の適用事業所としての義務が発生します。
この頁では、どのような場合に労働保険に加入する義務があるのかなど、労働保険の加入条件について説明しています。 |
労働保険の適用事業所
原則として労働者を1人以上使用していれば、労働保険(労災保険、雇用保険)に加入しなければなりません(当然適用事業)。
ただし、以下の農林水産業の場合は、労働保険(労災保険、雇用保険)の適用を受けるかは任意となります(暫定任意適用事業)。
<労災保険の暫定任意適用事業>
●労働者数5人未満の個人事業の農業(事業主が特別加入しない場合)であって、特定の危険又は有害な作業を主として行うものではないもの。
●労働者の常時使用のない個人事業の林業であって、年間使用延労働者数が300人未満であること。
●労働者数5人未満の個人事業の畜産、養蚕又は水産(総トン数5トン未満の漁船による事業等)の事業であること。
※上記の暫定任意適用事業であっても、労働者の過半数が希望した湯合は加入しなければなりません。
<雇用保険の暫定任意適用事業>
●労働者数5人未満の個人事業であって、土地の耕作若しくは開墾又は植物の栽植、栽培、採取若しくは伐採の事業その他農林の事業(いわゆる農業、林業と称せられるすべての事業)であること。
●労働者数5人未満の個人事業であって、動物の飼育又は水産動植物の採捕若しくは養殖の事業その他畜産、養蚕又は水産の事業であること。
※上記の暫定任意適用事業であっても、労働者の2分の1以上が希望した湯合は加入しなければなりません。
労働保険の対象者・被保険者となる人
労働保険の適用事業所に勤務する者について、以下の条件によっては、労災保険の対象者や雇用保険の被保険者となります。
<一般の労働者、パート等>
労災保険 |
雇用保険 |
対象者となります。
海外派遣者は特別加入する場合に限り対象となります。 |
以下の1と2に該当すれば被保険者となります。
1.1週間の所定労働時間が20時間以上
2.31日以上の雇用見込みがある
ただし、以下の者は除かれます。
●季節的雇用で4ヶ月以内の雇用期間の者
●季節的雇用で1週間の所定労働時間が30時間未満の者
●昼間学生 |
<日雇労働者>
労災保険 |
雇用保険 |
対象者となります。 |
日雇労働被保険者の場合のみ被保険者となります。 |
<法人の役員>
労災保険 |
雇用保険 |
対象者となりません。
ただし、代表取締役など役員の代表者以外で、以下の場合は対象者となります。
●事実上業務執行権を有する役員の指揮監督を受けて労働に従事し、その対償として賃金を得ている者
●監査役、監事で一般の労働者と同様に賃金を得て労働に従事している者 |
被保険者となりません。
ただし、代表取締役など役員の代表者以外で、以下の場合は被保険者となります。
●労働者としての身分を有し、服務態様、賃金等の面からみて労働者的性格が強い者 |
<事業主と同居の親族>
労災保険 |
雇用保険 |
対象者となりません。
ただし、以下の1と2に該当すれば対象者となります。
1.業務について、事業主の指揮命令に従っていることが明確である
2.就労実態が他の労働者と同様であり、賃金もこれに応じて支払われており、その他の労働条件や労務管理も、他の労働者と同様になされている |
被保険者となりません。
ただし、以下の1~3に該当すれば被保険者となります。
1.業務について、事業主の指揮命令に従っていることが明確である
2.就労実態が他の労働者と同様であり、賃金もこれに応じて支払われており、その他の労働条件や労務管理も、他の労働者と同様になされている
3.事業主と利益を一にする地位(役員等)にない |
関連リンク
社会保険(健康保険、厚生年金)の加入条件/社会保険労務士 暁事務所
(労働保険と併せて確認しておきたい社会保険の加入条件について記載しています。)