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今までは、会社の健康保険(協会けんぽ)と厚生年金保険に入っていたけど、退職後の社会保険はどうしたらいいのでしょうか。
この頁では、このような疑問について説明していますので、参考にしていただければと思います。 |
退職後に加入する社会保険の選択肢
退職後に加入することになる社会保険の選択肢としては、以下のものが考えられます。
<健康保険制度>
・協会けんぽ(または共済組合)の健康保険の被扶養配偶者として加入
・協会けんぽ(または共済組合)の健康保険の被扶養者として加入
・協会けんぽの健康保険の任意継続被保険者として加入
・市町村の国民健康保険に加入
・国民健康保険組合の国民健康保険に加入
<国民年金制度>
・国民年金第1号被保険者への切り替え
・国民年金第3号被保険者への切り替え
20歳未満または60歳以上であるなど、国民年金の被保険者にならない人は、国民年金の被保険者種別の切り替えの手続きは必要ありません。
次項以降から、それぞれの選択肢について記載します。
協会けんぽ(または共済組合)の健康保険の被扶養配偶者として加入
協会けんぽ(または共済組合)の健康保険の被保険者である配偶者がいて、その者の被扶養者として加入できるのなら、これが一番お得な選択肢となります。
健康保険の保険料の負担も不要ですし、国民年金の種別も第3号被保険者となるので、国民年金の保険料の負担もなく、年金の算定期間に通算されることになります。
手続きについては、配偶者を通じて、その配偶者の雇用主から、被扶養配偶者の追加手続きをしてもらうことになります。
協会けんぽ(または共済組合)の健康保険の被扶養者として加入
協会けんぽ(または共済組合)の健康保険の被保険者である扶養者(配偶者以外)がいて、その者の被扶養者として加入する場合は、二番目にお得な選択肢となります。
健康保険の保険料の負担は不要ですが、国民年金の種別は第1号被保険者となるので、国民年金の保険料の負担は必要となります。
健康保険の手続きについては、配偶者を通じて、その配偶者の雇用主から、被扶養者の追加手続きをしてもらうことになりますが、国民年金の被保険者種別の切り替え手続きは、退職者本人が行うことになります。
協会けんぽの健康保険の任意継続被保険者として加入
前職の協会けんぽの健康保険の任意継続被保険者として加入するには、退職日までに継続して2ヶ月以上の被保険者期間があり、退職日の翌日から20日以内に全国健康保険協会に申請することが必要です。申請期間が過ぎてしまうと、この選択はできなくなります。
保険料は退職当時の給与額に基づいて算定されます。在職中は雇用主の折半負担がありましたが、退職後はそれがなくなるため、任意継続被保険者としての保険料のほうが高くなります。
国民健康保険の保険料とどちらが高いかは、それぞれ保険料の算定方法が異なるため、一概には言えませんが、被扶養者が多い場合は、その被扶養者の保険料の負担がないため、こちらのほうが安くなる可能性があります。
国民年金の第1号被保険者への種別の切り替え手続きは、退職者本人が行うことになります。
市町村の国民健康保険に加入
協会けんぽ(または共済組合)の健康保険の被扶養者としての加入ができない、任意継続被保険者の申請期間が過ぎたなど、他の選択肢がない場合は、市町村の国民健康保険に加入することになります。
国民健康保険の保険料は、世帯員の人数や所得額等に応じて算定されますので、任意継続被保険者の保険料と比べて、どちらが高くなるかはそのときの状況にもよります。
国民年金の第1号被保険者への種別の切り替え手続きは、退職者本人が行うことになります。
国民健康保険組合の国民健康保険に加入
協会けんぽ(または共済組合)の健康保険の被扶養者としての加入ができない、任意継続被保険者の申請期間が過ぎたなど、他の選択肢がない場合で、世帯員が国民健康保険組合の国民健康保険に加入している場合は、その組合の国民健康保険に加入することになります。
国民健康保険の保険料は、その国民健康保険組合の規約で定められていますので、組合によって高い安いの保険料の差はあります。
国民年金の第1号被保険者への種別の切り替え手続きは、退職者本人が行うことになります。