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深夜労働について、主な基礎知識を掲載しています。
人事労務経営のご参考にお役立てください。 |
深夜労働とは
深夜労働とは、深夜時間帯(午後10時から午前5時まで)の労働のことをいいます。
なお、厚生労働大臣が必要であると認める場合においては、その定める地域又は期間については、午後11時から午前6時までが深夜時間帯とされます。
深夜労働の制限
<女性の制限>
妊産婦(妊娠中及び出産後1年を経過しない女性)が請求した場合は、深夜労働をさせてはなりません。
<年少者の制限>
年少者には、原則として深夜労働(午後10時から午前5時)をさせてはなりません。なお、満15歳に達した日以降の最初の3月31日までの者については、深夜労働の時間帯は午後8時から午前5時までとなります。
深夜労働による割増賃金の支払い
労働者に深夜労働をさせたら、以下の割増賃金の支払いが必要となります。
◆法定労働時間内の深夜労働
労働時間に対する賃金(割増なし)の他、 割増対象賃金 × 0.25倍以上 で計算した割増賃金の支払いが必要です。
◆法定労働時間外の深夜労働
割増対象賃金 × 1.5倍(1.25倍 + 0.25倍)以上 で計算した割増賃金の支払いが必要です。ただし、1ヶ月60時間を超える法定外残業の分は1.75倍(1.5倍
+ 0.25倍)以上となります(中小企業で法改正の猶予期間中(
2023年3月31日まで)の間は1.5倍(1.25倍 + 0.25倍)以上)。
◆法定休日の深夜労働
割増対象賃金 × 1.6倍(1.35倍 + 0.25倍)以上 で計算した割増賃金の支払いが必要です。
※割増対象賃金とは、基本給と諸手当(家族手当や通勤手当など、一定のものは除く。)の合算額の時間単価のことです。
宿直勤務とは
深夜労働と似たものに宿直勤務というものがありますが、この宿直勤務とは、法律で定められた「監視断続労働」の中の1つです。
宿直勤務を労働者にさせるには、労働基準監督署長の許可が必要となります。一般的に許可の対象となる勤務内容は、非常時のための待機や、電話応対などの業務に限られます。簡単にいうと「ほとんど仕事をしていないが時間的に拘束されている。」というような感じです。
許可を受けると、労働時間、休憩、休日に関する法律の規定が除外され、以下の取扱いが許されます。
●宿直勤務の時間に対して、通常の労働時間の賃金を支払う必要はない。ただし、最低でも、その労働に従事する者の平均賃金の3分の1の額の支払いは必要です。
●宿直勤務の時間は、法定外残業や法定休日労働等の割増賃金の対象にはならない。
●宿直勤務の途中に休憩を与える必要はない。